三長ブログ:職人の日々
桐たんす職人の長谷川です。
中学生の頃、親父の手伝い(家具造り)をするとお小遣いが貰え、知らぬ間に仕事を覚えて
いました。
うまく育てられました。(笑)
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梅 雨2014-07-07
梅雨時の桐たんす
名古屋は空梅雨でしたが、今週から台風の影響もあって雨天気になるようです。
雨が降ったら降ったでジメジメした空気がなんだか重く感じられます。
梅雨って桐たんす制作にも影響あること知ってます?
梅雨時は桐材が外気中の湿気を吸いますので、桐材が膨張してしまいます。
この状況で作業を進め完成すると仲秋のさわやかな季節に桐材が収縮してしまい
桐たんすが少し痩せてしまいます。
ですから、制作にはあまり良い時期ではありません。
しかしながら悪いことばかりではありません。
桐材の渋(アク)抜き乾燥にはとても良い時期なのです。
桐材は渋が多く、雨水にさらしながら渋を抜いていきます。
1年を通してこの時期は必至で製品の善し悪しが決まります。
良い桐たんすを造るには梅雨と旨く付き合うしかありません。
参考 「渋抜き乾燥」
この時期よくユーザ様より「引き出しが開かない」「引き出しが閉まらない」
「引き出しが固くなった」などのお問い合わせが多く寄せられます。
桐たんすの設置された場所の環境によりこのような現象は起こりえます。
しかし、見方を変えれば引き出し内に湿気が入らない状態であり、
桐たんすがしっかりと守っている証拠でもあります。
桐材の性質を正しく理解し、付き合って行きたいものです。
解決策としては、まず換気です。お部屋にエアコンがあれば除湿してください。
もしくは、扇風機をあて、湿気を飛ばしてください。(雨天時は行わない)
ある程度改善されると思いますが、
梅雨明けして、乾燥した晴天の日が続けば元に戻ると思います。
⬅️ 参考「こんな時は?」
忙しい世の中ですが、桐たんすの前でひと呼吸するのもいいかもしれませんね。